バイト道vol.6~体が資本

私が、パチンコ店で働いていた時の事です。
一年半程勤めましたが、ある事をきっかけに転職を決意しました。
これはその時に得た教訓です。

パチンコ店での仕事は基本的に肉体労働でした。
玉の入った箱を1日に100箱、200箱は当たり前に上げ下げをします。
お店によりますが、1箱に満タンまで玉を詰めた場合、その重さは10~12kgにもなり、この箱を3箱ずつに分けて運び、計量機へ流し込みます。

今では、全自動で玉を計量機へ運ぶシステムを採用しているお店も多いですが
私が勤めていたパチンコ店は全て人間が運んでいました。

当時、スタッフの中で一番年齢が若かった私は、体力にも自信がありましたし
周りの誰よりも働こうと、先輩達の分まで毎日汗だくになりながらも、玉を運び続けていました。

ある時、いつものように箱を持ち上げようとした時に、頭からつま先まで一瞬電流が流れた様な感覚がありました。

「今のは、何だったのだろう?」と、上体を起こそうとした次の瞬間、背中に凄まじい痛みを感じました。
額から冷たい汗が流れ、私は箱を抱えた中腰のまま動けなくなりました。
私の異変に気付いたお客様が近くにいた同僚に声かけをして下さり、私は休憩室に運ばれました。

休憩室で、どうにか横になった私は数時間、起き上がる事ができませんでした。

翌日、病院へ行ったところ、椎間板ヘルニア と診断されました。

私の場合は幸い、手術をせずに回復するようでしたが
お医者様から、原因は毎日長時間にわたり腰を酷使しすぎたことによるものであり、今のペースで仕事を続けると、最悪歩けなくなることもあると言われました。

どうやら私の身体は、約1年、パチンコ玉の入った箱を運び続けた事により、かなりのダメージが蓄積されていたようです。

てっきり、ギックリ腰の様な突発的なものだと思っていましたし
思い返しても、朝起きたときにたまに腰が痛いな、と思う事はあっても我慢できない程ではなくいつも通り業務をこなしてこれましたから、まさかこのような事になるとは思いもしませんでした。

すぐに仕事に復帰する事も出来ず、職場のみなさんには迷惑をかけてしまいました。
復帰後も、コルセットを巻いて働いていましたが、今までのように身体を動かす事が出来ず、私は転職を決意しました。

今では、腰の痛みもなく、私生活も全く問題ありませんが
振り返って思う事は、「自分では気づかないうちに」これが一番危険だということ。
自分の中の少しの異変にも敏感に気づけるようにしなければなりません。

私は、この身をもって知りました。

職種に関わらず、何事においてもそうです。
気づいた時には手遅れだったという事は、誰しも経験したことがあると思います。
体調を崩して会社を休んでしまっては、周りの人たちに迷惑がかかります。
どうしても、の時は仕方がありませんが、そもそも体調を崩さない様にしなければなりません。

一生懸命に仕事を頑張りすぎた結果、身体を壊し、周りに迷惑をかけてしまっては元も子もありません。仕事をする上では、まず第一に体が資本なのです。

皆さんも、自分の中のわずかな異変にも気づく事が出来る様に、外側も内側もしっかりと自分を観察していきましょう。

この記事を書いた人

M.Sugimoto

artbizのサービスチーフ。幾多のアルバイト武者修行の経験があり、話題をふれば「あー、あの業界はですね」と現場の裏側を大体知っている。次から次へとやってくる業務に押しつぶされそうになりながらも、日々artbizのサービスとお客様対応の品質向上に熱意を注いでいる。NBA(プロバスケ)観戦が趣味と。