とにかく八村 塁選手の凄さを伝えたい

八村 塁選手といば今や日本で知らない人はいない、といっても過言ではありません。

しかし、アバウトにすごい選手なんだということは分かっていても
実際に何がどれくらいすごいことなのか、というところまでは
普段バスケットに関わりがない方にはピンとこない部分かもしれません。
彼はまさに日本バスケット界の希望であり、夢でもあるのです。

NBAとは、北米に展開されているアメリカのプロバスケットボールリーグです。
プロバスケットボールリーグは南米、ヨーロッパ諸国、アジア・オセアニアをはじめ、世界各国にあります。
日本にはBリーグというプロバスケットボールリーグがあります。
野球でいうところのNPB、サッカーでいうならばJリーグです。

しかし、NBAというリーグだけは特別なのです。
世界各国にあるリーグの中でも最高峰の実力と人気、桁違いの年棒と、プロバスケットボールプレイヤーなら誰もが目指し、憧れる舞台と言えます。

八村選手は、富山県富山市でベナン人の父、日本人の母の間に生まれました。
バスケットを始めたのは中学生からで、日本人離れの恵まれた体格と
たゆまぬ努力によって高校では全国大会、インターハイともに3年連続優勝。
そして、バスケの名門ワシントン州ゴンザガ大へと入学します。
このあたりから日本人としては前人未到レベルの話になってきます。

大学でも存在感は変わらず、才能と実力を見せつけた八村はNCAAトーナメント(日本でいうインターハイ)に、日本人初の出場を果たします。

そして大学三年生の年にNBAへのエントリーを決め、2019年のNBAドラフト1巡目全体9位
ワシントンウィザーズに指名され、現在に至ります。

NBAはドラフト制を採用しています。
つまり、球団が欲しい選手を獲得するために選手をスカウトするということです。
ワシントンウィザーズが一番に手を付けた選手であるということですね。

実はNBAへ挑戦をし、見事NBAプレイヤーとしてデビューした選手は八村選手の前に2人います。
一人は、2004年に田臥勇太選手、もう一人は2018年に渡辺雄太選手です。
日本人初のNBA選手となった日本バスケ界の先駆者である田臥選手でさえ、実際にコートに立てたのは数分だけでした。
渡辺雄太選手は、現在二部リーグで奮闘、NBA復帰を目指しています。
この二名ですら、ドラフトではなく二部リーグからチームと専属契約をしたかたちになっています。

以上のことからも分かるように日本人にとって、NBAはそれほど遠く、険しい壁があるのです。
日本のバスケット競技人口は570万人程と言われています。
その中でもNBA入りを果たしたのは、八村選手でわずか3人目ということです。

昔から日本人にNBAは無理だと言われ続けている大きな要因のひとつが体格です。
NBAの平均身長は約200cmで、高さだけではなく筋肉量も凄まじく、もはや私達日本人からすれば超人の集まりといえます。

しかし八村選手は203cmと、NBA選手に引けを取らない体格と大学時代からアメリカでプレーをしたことで見についたフィジカル、スキルによって
ドラフトされているのだから当たり前ではあるものの、NBAという舞台にいながらそこにいて不思議でない選手へと成長しました。

現在ではワシントンウィザーズにてスターティングメンバーをつとめており、チーム内得点ランキングでは3位、30点以上決めたゲームもあるほどです。
もう、ここまで書いておきながら未だにこれが日本人選手だという実感がないほどに彼が行うすべての行動が日本人初と言えるのです。

野球やサッカーに比べ、はるかに本場への挑戦が難しく、無理だとさえ言われていたNBAに入り
普通に選手として活躍している姿は、夢なのではないかと思うほどです。

ちなみに所属球団のワシントンウィザーズはマイケルジョーダンが現役最後にプレーをしていたチームでもあります。
現在、主力のケガも相次ぎチーム成績は低迷していますが、八村選手がその穴を埋めて余りあるほどの活躍を見せてくれています。

ケガも多く、入れ替わりも激しいNBAの世界に身を投じた八村選手ですが
これから先、彼の足跡を辿って、NBAを目指す選手がぞくぞくと増えてくることと思います。
彼そのものが、道しるべであり、まさに日本バスケット界の希望であり、夢なのです。

願わくば、NBA界レジェンドの一人として、彼の歴史を振り返るように八村選手の記事を書く日がくることを祈っています。

この記事を書いた人

M.Sugimoto

artbizのサービスチーフ。幾多のアルバイト武者修行の経験があり、話題をふれば「あー、あの業界はですね」と現場の裏側を大体知っている。次から次へとやってくる業務に押しつぶされそうになりながらも、日々artbizのサービスとお客様対応の品質向上に熱意を注いでいる。NBA(プロバスケ)観戦が趣味と。