治人あって、治法なし

古人がいかに「胆識(たんしき)」を磨いたか。現代の風習は論理と法令に馳せて、内省と修徳に怠慢である。「治人あって、治法なし」(荀子)という名言があるが、今は「治法あって、治人なし」の感がある。法律はいくら作ってみたって、その通り行われるものではない。結局、治人に待たねば治法にならない。(P.24)

「先哲が説く指導者の条件~『水雲問答』『熊沢蕃山語録』に学ぶ」
安岡正篤・著(PHP文庫)

ちょっと一見取っつき辛そうな話題ですが・・・

「今の時代はルールを決めることばかり躍起になって、自分の心を自律させたり心を成長させようとすることには無頓着だ。『人を良くしなければルールを作っても意味がない』(荀子=じゅんし)という名言があるけれども、現代は『ルールを作っても、そもそも人が駄目だ』の状況である。ルールはどれだけたくさん作っても、キリがないのだ。結局、人が成長しなければルールでさえも生かされないものだ」

超訳すると以上の意味になります。

社内ルールを作って、ルールをもとに人事評価をすることも大切ですが、一方で「そもそも何故ルールが必要なのか」ということを一人ひとりが理解しなければ意味がありません。

今は「若手に先輩の背中を見せておけば勝手に成長する」という時代でもありません。社内勉強会の開催は、スタッフのモチベーションアップにも、規範意識を育てる上でも役立ちます。

この記事を書いた人

アートにゃんこ

2017年に突如生まれた謎の化け猫(?)「ゆるキャラグランプリ2020 ファイナル」に出場間に合わず。ゆるキャラの時代も終わっちまったぜ…。