敬語の2つの基本

~言葉づかいを磨いて会話美人に。
よいコミュニュケーションはよい言葉から~

今回はことばの磨き方の基本中の基本、敬語について書きたいと思います。

言葉づかいをよくする為には、やはり、敬語の使い方がポイントとなるでしょう。

敬語といっても、尊敬語、謙譲語、丁寧語、また、丁重語、美化語という分類もあり、使い方のルールや仕組みがあります。これらを身につけていく上で大切なことは、二つの基本を押さえておくことです。

第一に、敬語はモノや行為を敬うのではなく、あくまで人を敬う表現であること。
第二に、敬語は人と人との距離を保つための表現であること。

第一の点について、例えば「お洋服」と言いますが、これは服を敬っているのではなく、これを着ている持ち主を敬っての敬語です。また、「来る」を尊敬語で「いらっしゃる」と言いますが、これも来るという行為ではなく、その行為をする人を敬っている表現です。

「あなたのお洋服」とは言っても「お前のお洋服」とは言いません。「先生がいらっしゃる」とは言っても「あいつがいらっしゃる」とは言いません。これは、主語と述語の不整合というよりも、“お前”とか“あいつ”呼ばわりする人はそもそも敬っていないので、その持ち物や動作などにも敬語にはならないということです。

第二の点ですが、敬語は敬うべき人に対してだけ使うものではなく、対等の関係の人に対しても用います。
例えば初対面の人には、まず、お互いに敬語を使って会話をします。これは、知らないもの同士、馴れ慣れしくしてはいけない間柄ですから、敬語で距離を保つわけです。そして、学校でも職場でも親しくなるにつれ、敬語を使わない会話へと変化していきます。

“です”、“ます”調の言葉づかいをどこまで続けるか、相手や周囲の状況をよく考えてタイミングを計る賢さも備えていきたいものですね。

敬語を使いこなせば、相手との距離を縮めたり広げたりすることが可能です。言葉の変化に敏感な人は、人との距離感も上手にコントロールできるものです。

次回は誰でも会話美人になれるポイント、「聞き上手」について、書かせていただきます。

この記事を書いた人

M.Matsushima