上に目をつけるか、下に目をつけるか


【勤惰(きんだ)一言(ひとこと)に分る】

一言を聞いても人の勤勉・怠惰(たいだ)は分かるものだ。江戸は水からでさえ銭が出ると言うのは怠け者の言うことだ。水を売っても銭が取れると言うのは勉強人だ。夜はまだ九時なのに十時だと言う者は寝たがる奴だ。まだ九時前だと言うのは勉強心のある奴だ。すべてのことに、下に目をつけ、下に比較する者は、必ず向上心のない怠け者だ。たとえば、碁(ご)を打って遊ぶのは酒を飲むよりよいとか、酒を飲むのは博打(ばくち)よりよいというようなものだ。上に目をつけ、上に比較する者は必ず向上する。

出典:「二宮翁夜話」(児玉幸多・訳、中公クラシックス)より

二宮尊徳のことばです。
子供の世界でも同じですよね。

「○○君が遊んでいるんだから、ぼくだって遊んでもいいじゃない」

「△△君が勉強しているんだから、ぼくはもっと勉強しなければ」

前者が下に、後者が上に、目をつけている典型的なパターンです。

将棋やスポーツも、弱い相手と練習していたら強くならないけれど、
強い相手と練習していたら強くなれる。といった所にも通じるでしょう。

日常生活、仕事ぶり、さまざまな場面に共通する教訓です。

この記事を書いた人

アートにゃんこ

2017年に突如生まれた謎の化け猫(?)「ゆるキャラグランプリ2020 ファイナル」に出場間に合わず。ゆるキャラの時代も終わっちまったぜ…。