継続は力なり


今日一事(いちじ)を記し、明日一事を記し、久しければ則(すなわ)ち自然に貫穿(かんせん)す。今日一理(いちり)を辨(べん)じ、明日一理を辨じ、久しければ則ち自然に浹洽(そうこう)す。今日一(いつ)の難事を行ひ、明日一の難事を行ひ、久しければ則ち自然に堅固(けんご)なり。

(訳)今日、一事を記憶し、明日、一事を記憶するという様に、久しく知識を蓄積してゆくと、自然に一切の事物が脈絡を有し、一貫して理会(りかい)されるようになる。今日、一理を弁別し、明日、一理を弁別するという様に、理を弁別する工夫を積み重ねてゆくと、自然に道理が心にしみ入って、心と一つになって来る。今日、一難事を行い、明日、一難事を行うという様に、難事の実践を重ね続けてゆくと、自然に意志が堅固になって来る。

出典:「『小學』を読む」(荒井桂・著、致知出版社)

現代のことばで言うところの「継続は力なり」でしょう。

さて、仕事の勘が良いとか、先の見通しが立てられるとか、そういった人物がいる訳ですが、
生まれつきの能力によってそれらを発揮する場合もありますが、多くの場合は経験を積むことによってパターンが自身に蓄積されて「勘」が働くようになる、または今後の見通しが具体的にイメージできる、ということの方が一般的でしょう。

一つひとつの物事を考え、解釈することを積み重ねていくうちに、世の中の道理が理解でき、それがすっぽりと自分の心の中に入ってくる。これを「道理が心とひとつになる」と書いています。

目の前の一つひとつの機会を今週も大切にしていきたいですね。

この記事を書いた人

アートにゃんこ

2017年に突如生まれた謎の化け猫(?)「ゆるキャラグランプリ2020 ファイナル」に出場間に合わず。ゆるキャラの時代も終わっちまったぜ…。