統率者の5つのポイント

昨日の「意見を出させる方法」の出典となった
「真説 楠木正成の生涯」(家村和幸・著、宝島社新書)のあとがきには、こう書かれています。

—(抜粋ここから)
統率の概念は、指揮(コマンド)、統御(リーダーシップ)、管理(マネージメント)の三つを含んだものであり、それゆえ「統率者」は、指揮官として部下を使い、教育者として部下を教え導き、親心をもって部下を養い育てなければならない。そして「統率力」とは、いかに厳しい環境下でも「平常心」をもって組織を正しく統率できる能力である。

こうしたことを全て、最も理想的な形で実践してきたのが、楠木正成の生涯であった。楠木正成こそ、我国の歴史上「最高の統率力」を発揮して、最強の軍勢を育てた人物である。そして、その秘訣は、「人の心を見抜き、それを思いやる」能力にあったといえよう。特に、苦しい立場にいる者、失意にある者、悲運ゆえに貧しき者などの弱者の気持ちを察し、深く配慮し、誰一人として見捨てることなく、「活かす道」を共に見出そうとした。

一方で、戦場で兵の死生を分かつ「軍法」を厳守することについては、一切の妥協を許さなかったが、それもただ強制するのではなく、前もって「なぜこうすべきなのか」を良く教え諭し、しかも正成自らがそれらを実践することで、兵たちが自主自律の心から軍法を守るように仕向けていたのは、見事である。
—(抜粋ここまで)

恐らくポイントは以下の5点でしょう。

◎統率者は部下を使うだけでなく、部下を教え導き、養い育てる存在であること。

◎統率者はいかなる状況においても「平常心」を持ち続けること。

◎統率者は「人の心を見抜き、思いやりを持てる」こと。

◎統率者は全てのメンバーを「活かす道」を見出すこと。

◎統率者は「なぜこうすべきなのか」を部下に説き、法の厳守を自ら実践すること。

これは組織におけるリーダーの役割であると同時に、一人ひとりの社員がお客様に接する際の心得とも言えるでしょう。
統率者が社員であり、部下をお客様、と読み替えても意味が通じます。

この記事を書いた人

アートにゃんこ

2017年に突如生まれた謎の化け猫(?)「ゆるキャラグランプリ2020 ファイナル」に出場間に合わず。ゆるキャラの時代も終わっちまったぜ…。