良寛戒語

江戸時代後期の僧侶であり書家でもあった良寛(りょうかん)禅師。
そんな良寛さんが遺した「良寛戒語」全90か条から、40か条を読んでみましょう。


ことばの多き(口数が多い)
口のはやき(早口)
さしで口(出しゃばって言う)
手がら話(自分の手柄を自慢する)
人のもの言いきらぬ中に物言う(人が話し終えていないのに自分が口を挟む)

ことばのたがう(発言が変わる)
よく心得ぬ事を人に教うる(自分でもよく分かっていないことを人に教える)
はなしの長き(話が長い)
こうしゃくの長き(説明が長い)
自まん話(自慢をする)

いさかい話(言い争いをする)
へらず口(憎まれ口をたたく)
たやすく約束する(簡単に約束する)
ことわりのすぎたる(理屈っぽい)
そのことを果たさぬ中にこの事を言う(一つのことを終えていないのに次のことを話す)

人のはなしのじゃまする(人の話をさえぎる)
しめやかなる座にて心なく物言う(物静かな場所で考えずに話をする)
親せつらしく物言う(わざとらしく親切にものを言う)
悪しきと知りながら言い通す(悪いことと知りながらそれを言い通す)
物知り顔に言う(物知り顔で言う)

へつらう事(お世辞を言って媚びる)
あなどる事(相手を軽く見て馬鹿にする)
人のかくすことをあからさまに言う(他人の秘密を暴露する)
己が氏素性の高きを人に語る(自分の家系の程度の高さを人に話す)
推し量りのことを真事になして言う(自分の推測を真実らしく言う)

さしたることもなきことをこまごまと言う(取るに足りないことを細かく話す)
首をねじて理くつを言う(屁理屈を言う)
おしのつよき(押しが強い)
いきもつきあわせず物言う(息もつかずにどんどん話す)
よく物のこうしゃくをしたがる(よく物の説明を話したがる)

人のことわりを聞き取らずしておのがことを言いとおす(他人の説明を聞かずに自分の理屈を言い通す)
よく知らぬことをはばかりなく言う(自分が知らないことなのに、堂々と述べる)
きき取り話(人から聞いた話をする)
人にあうて都合よく取りつくろうて言う(都合のいいことを言う)
さしてもなき事を論ずる(大したことのない話題を議論する)

くれて後人にその事を語る(人に対して自分があげたことを後になって語る)
おれがこうしたこうした(自分がこうした、自分がこうした、と話す)
人に物くれぬ先に何々やろうと言う(人に物をあげる前に何々をあげると言う)
あう致しました、こう致しました、ましたましたのあまり重なる(自分がああした、自分がこうした、と言い過ぎる)
はなであしらう(相手の言葉にろくな返事もしない、冷たい態度をとる)

私にとっても耳の痛い項目がいくつもあります。
肩の力を抜いて、今週も前向きに頑張りましょう。

※条文の出典は「修身教授録」(森信三・著、致知出版社)

アートにゃんこ
災難に逢う時節には災難に逢うがよく候、死ぬる時節には死ぬがよく候、これはこれ災難をのがるる妙法にて候。ジタバタしないで自分のできるだけのことをして、あとは肩の力を抜いてありのままを受け入れなさい、ということばもあるにゃ。

この記事を書いた人

アートにゃんこ

2017年に突如生まれた謎の化け猫(?)「ゆるキャラグランプリ2020 ファイナル」に出場間に合わず。ゆるキャラの時代も終わっちまったぜ…。