フェイクの時代は終わった

フェイク(Fake)=偽物、模造品。

10月よりテレビ東京系ドラマ『孤独のグルメ』Season8の放映が発表されました。

実物のレストラン・料理店を舞台に物語をおり込む手法の先駆的ドラマですが、同じ手法で、東京を中心に全国の実在する居酒屋を主人公が訪れてひとり酒を飲む『ワカコ酒』

現在では屋台バーで毎回こだわりのレシピで作られたカクテルを中心に物語が進む『まどろみバーメイド』

このように、物語を中心に展開していくドラマではなく実在する店舗や商品を中心に物語をおり交ぜていく半分ドラマ・半分ドキュメンタリーの作品が人気を集めています。

これは、
作られた世界というものに現代の日本人は飽きてしまった、麻痺してしまった、無感になってしまった、ということが言えるのでしょう。

自社のホームページに「とても良いサービスをご提供しております」「皆様のご来店を心よりお待ちしております」と書いてあるよりも、

食べログなどの口コミ情報に「美味かった」「不味かった」と第三者のリアルな情報が書いてある方が断然効果を持つわけです。

自社ホームページで立派な美辞麗句(フェイク)を並べ立てることには何ら意味がない時代になった、と気づかねばなりません。

とある神社で、集客するために参道で骨董市を誘致した。
ところが、以前よりも人が来るようになったものの、骨董市を一周しただけで多くの人が帰ってしまい、本丸のお参りをする人数にさほど影響はなかった。という実際の話があります。ここで神社にとって骨董市は集客のためにぶら下げたニンジン、つまりフェイクです。

やはり、【客は本業の力で集めるべき】であり、生き残るためには【客は本業で集めるしかない】のです。

それだけに本物の本業を提供している店しか生き残ることが出来ない高度に成熟された社会に日本がなっているということなのでしょう。

子どもが喜ぶイベントも、縁日のようなお遊びよりも、キッザニア(東京・甲子園)のように本物の職場体験をできる体験型施設の方が人気を集めています。

子どもでさえ目と感性が肥えているのです。ゲームを与えていれば喜ぶだろう、という安直な時代は終わっています。

ゲームでさえ、
「マインクラフト」という、街づくりのゲームが子どもたちに人気を集めており、ただ与えられるだけのゲームではなく、自分で街をつくる、乗り物をつくる、戦闘機をつくる、そこで戦わせる、街の中に建物をつくる、建物につくるエレベーターは自分でピストンや油圧装置のパーツを組み合わせながら動力を考えてつくる、

もはやゲームではなく高度なプログラミングを子どもたちは使いこなし始めています。

さらに驚くことには、ここで優秀なゲームを構築した者は作成したゲームを他人に販売できる仕組みにも関わるようになっており、ゲームなんて子どもの遊びだろうと小馬鹿にしていたら、実は子どもたちの方が先んじてリアルな商取引を営んでいた、という状況になっているのです。

このように、中途半端なフェイクで相手を騙せる時代は終了し、本業を磨き上げそのリアリティが適切に周知された者が集客していくという、本物しか生き残らないリアルの時代(=Not Fake)になっています。

大切なことは、
苦手なこともフェイクの看板で出来るように装うのではなく徹底的なターゲティングと他店との差別化で、「売り」と「本当に得意なことは何か」を追求しながら自店・自身の中のフェイクを排除していくことが生き残る道ということでしょう。

この記事を書いた人

アートにゃんこ

2017年に突如生まれた謎の化け猫(?)「ゆるキャラグランプリ2020 ファイナル」に出場間に合わず。ゆるキャラの時代も終わっちまったぜ…。