「睡眠」の重要性

私たち日本人が常に抱えている問題のひとつが睡眠不足です。

一日平均6時間を睡眠に費やした場合、一人の人間の寿命を80年とすると、私たちは一生のうちに20年間という時間を睡眠に費やしている計算になるそうです。

一人の人間が生まれてから成人するまでの時間を、一生をかけて寝ているわけです。

アメリカのペンシルベニア大学とワシントン州立大学で睡眠不足に関してこんな実験が行われました。

1日平均7~8時間睡眠をとる健康な男女を48名を集め、1グループは3日間眠らずに過ごしてもらい、それ以外は4・6・8時間とそれぞれ決まった睡眠時間を取る3グループに分け、48名の心身の状態を2週間にわたり記録をしました。

8時間しっかり睡眠をとったグループは2週間のあいだ、「認知機能・注意力・判断能力・運動神経」ともに全く低下しませんでしたが、4時間・6時間睡眠のグループは日を追うごとに能力の低下が見られました。最も能力低下が大きく現れたのは4時間睡眠のグループですが、6時間睡眠のグループもさほど大差はありませんでした。

この実験から分かった事は2つあります。

1つ目は、寝不足は心身に累積されていくということ。
睡眠不足は「神経」の疲弊でもあり、実験開始から1週間も経つ頃には6時間睡眠のグループは1日中睡魔に襲われながら過ごすようになり、2週間後、6時間睡眠のグループのパフォーマンスは3日間眠らずに過ごしたグループと同じレベルまで低下していました。

2つ目は、能力の低下には自分で気づくことができないということ。
能力低下は最初の数日のみではなく、日に日にどんどん落ちていき、寝不足が進んでいくと通常では行わない判断を行うようになり、自分では気づかずとも、パフォーマンスが落ちているという事が判明しました。

もし、あなたが6時間未満の睡眠を毎日続けているのであれば、精神と身体能力は気づかないうちに、3日間寝ないで過ごした状態と同じ程度まで低下しているかもしれません。

睡眠不足が仕事にあたえる影響はとても大きいものだと思われます。

実験結果にもあるように、能力の低下に自分で気づけない場合は、いつもなら当たり前にこなす作業にミスがでますし、そのミスにすら、自分で気づけていない可能性もあります。

海外の人から見れば、日本人はとても働き者だそうです。
仕事に打ち込むあまり、睡眠時間を犠牲にする人も少なくありませんし、仕事に関わらず、寝る間も惜しんで趣味や遊びに没頭する人も多くいます。

何かをする際に時間が必要な場合、まず睡眠時間を削る、という選択をする人は非常に多いです。

かくいう私も、毎日必ず6時間以上寝ているかと言われれば、当然ながら答えはNOです。

個人差はあると思いますが、「適切な判断・良い仕事は、良い睡眠から」。この定義は覆すことはできないでしょう。

みなさんの中には、仕事・趣味・家庭の事情等、様々な理由があり、睡眠時間を削らざるを得ない人も多いと思いますが、最高のパフォーマンスを発揮するために、ご自分の睡眠時間が足りているのか今一度考えてみてはどうでしょうか。

※参考記事
「6時間以下なら、徹夜と同じ!?睡眠時間と作業効率の関係(TABI LABO)」
http://tabi-labo.com/135190/ways-to-get-better-sleep

この記事を書いた人

M.Sugimoto

artbizのサービスチーフ。幾多のアルバイト武者修行の経験があり、話題をふれば「あー、あの業界はですね」と現場の裏側を大体知っている。次から次へとやってくる業務に押しつぶされそうになりながらも、日々artbizのサービスとお客様対応の品質向上に熱意を注いでいる。NBA(プロバスケ)観戦が趣味と。