「人の成功は自分に克つにあり、失敗は自分を愛するにある。八分どおり成功していながら、残り二分のところで失敗する人が多いのはなぜか。それは成功がみえるとともに自己愛が生じ、つつしみが消え、楽を望み、仕事を厭(いと)うから、失敗するのである」
(内村鑑三・著「代表的日本人」岩波文庫より)
西郷隆盛のことばです。
自分に克つ。言葉で書くとインパクトは薄いですが、実際に自分に打ち克つことほど難しいことは無いです。星野リゾート代表の星野佳路さんが「リーダーシップを発揮する5つの条件」の一つとして「質素倹約」ということを挙げられていますが、質素倹約はまさに「自分に克つ」ところから始まります。
日常、つい誘惑が、つい浪費癖が、と自分を甘やかしたくなる刺激に囲まれてしまいます。そのなかで自分に克つことは容易なことではありません。容易でないからこそ、自分に克つことが自身の中に重大な価値を生むのでしょう。
仕事を続け、喜怒哀楽の現場に立ち続けるからこそ自分なりに悟ることも日々発生します。仕事が自分を成長させる磨き石と捉え、今週も自分に克つことに立ち向かいたいものです。