ツイッターの投稿より。100年前の新聞記事だそうです。
お客に対する希望
(岡本地球堂主 岡本 清)英国人などは商品を受取る時に必ず「サンキウ」と云ひ、需給者の対当を表現して居ります。日本の小売商店の店員も御客様から、今少しく人間扱ひを受ける様になりたきものです。
https://togetter.com/li/1153910
https://twitter.com/hal9152/status/1327001864047456256?s=27
漢字部分を現代の表記に直してみました。
(「対当」は「つり合い」を意味しています)
この話は商売をしている側の人にとっては
至極納得できる話でしょう。100年前の話とは思えないほど実感がわきます。
商品を販売する、またはサービスを提供する側に対して
お客様が「ありがとう」を言って初めて「対等な関係」になるというのです。
反対に、
商品を販売する側に対して、
お客様が黙って商品を受け取って立ち去ったとしたら
それは「対等な関係ではない」と。
こういったことは商売をする側・サービスを提供する側よりも
それらを受け取る側の「消費者教育」の問題でしょうが
いつの時代も真理は変わらないということだと思います。
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ちょっと昔になりますが、関連する話題を貼っておきます。
「ラーメンの鬼」。そう呼ばれて多数のメディアに登場していた「支那そばや」創業者の佐野実さんが、4月11日に多臓器不全のため川崎市内の病院で亡くなりました。享年63。
店での「私語禁止」「携帯電話禁止」などを打ち出した、”めんどくさい店”のハシリでもあった「支那そばや」。週刊SPA!(2012年9月18・25号)で、佐野さんはその想いを熱く語っています。
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「お喋りをする客は『塩』を頼まないでください」「強度の香水をつけた方の入店お断り」「携帯電話の店内使用禁止」。
今のように、メディアにラーメン職人が取り上げられることはほぼなかった時代に、そうしたルールを打ち出したことで知られる「支那そばや」創業者の佐野実氏。当時は異端視されたが、これには意味があったという。
「携帯や香水、私語、これらは全部ラーメンを邪魔するもの。だって、食べてる途中に携帯で話してたらラーメンが伸びちゃうだろ。香水もラーメンのニオイを消しちゃう。ウチはカウンター15席の小さい店だったから周りにも迷惑」
佐野氏からすれば、すべては麺やスープをベストな状態で食べてほしい一心だったというのだ。
「こっちは真剣にうまいもん出そうとしてんのに、食べる側のマナーが悪かったらさ……。例えば、フランス料理食べに行って、そういうことする客はいないでしょ? ラーメンだってそこは一緒」
それでもルールを守らない客は「帰れ!!」と一喝してきたという。
「そうやって帰した客は50人ぐらいはいたかな。俺、ラーメン屋25年やってるけど、『いらっしゃいませ』『ありがとうございました』は、今でも言ったことがない。頭を下げて『ありがとうございました』『また来てください』なんて言わなくたって、うまけりゃ客は来る」
そんな佐野さんから最後に一言。
「こっちは客との真剣勝負。その店の規制が嫌なら、行かなきゃいいだけ。逆に、自信がない店は、無愛想になんかできないはずだよ。
俺は、客へのお礼は味で返す!そう思って研究してきた」
なるほど、たしかに佐野氏の言うことも一理あるかもしれない。
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報道によると、亡くなる1週間前、本人の強い希望によって病室に「支那そばや」のラーメンを持ち込み、10本ほど麺をすすったのが”最後のラーメン”となったそうです。
『ラーメンの鬼・佐野実さんが死去。生前語った「私語禁止の店」にした想いとは』
女子SPA! 2014年4月12日(土)16時21分配信
ラーメンの鬼、佐野実さん。懐かしいですね。
ある意味、サービスをする側と受ける側の「対等」を教えてくれるエピソードではないでしょうか。